「うちのマンション、古くなってきたけど、建て替えって難しいんでしょ?」

そんなふうに思っていた方に、朗報です。令和7年(2025年)5月に成立した改正区分所有法が、令和8年(2026年)4月1日から施行されました。マンションの建て替えや売却が、これまでよりもずっと進めやすくなっています。

今回は、難しい法律の話を、できるだけわかりやすくお伝えします。

そもそも「区分所有法」って何?

分譲マンションのように、一棟の建物の中に複数の部屋があり、それぞれ別々の人が所有しているとき、「誰がどこを管理するの?」「何かを変えるときはどう決めるの?」というルールを定めた法律が区分所有法です。

昭和37年(1962年)に作られた、60年以上前の法律です。マンションが大量に建てられた時代に合わせて整備されましたが、今の時代の問題には対応しきれていない部分が出てきていました。

なぜ今、改正が必要だったの?

理由は大きく2つ、「建物の老朽化」と「住民の高齢化」です。国土交通省のデータでは、全国のマンションは約713万戸、約1,600万人が暮らしています。このうち、築40年以上の古いマンションが急速に増えており、今後さらに増え続ける見込みです。

建物は古くなり、住んでいる方も高齢になる——この「2つの老い」が同時進行しているのです。

ところが、建て替えや売却を決めるには、これまで非常に高いハードルがありました。たとえば建て替えの場合、区分所有者全員の5分の4以上の賛成が必要。100室のマンションなら80人以上が賛成しなければ話が進まないというわけです。これだけの合意を得ることは現実にはとても困難で、2025年3月末時点で建て替えを実現できたマンションは全国でたった323件に留まっています。

今回の改正で、何が変わった?

改正のポイントは大きく3つです。まず全体像を表で確認しましょう。

項目改正前改正後
建て替え決議(耐震不足など条件あり)5分の4以上の賛成4分の3以上に緩和
一括売却・一棟リノベーション区分所有者全員の同意5分の4以上の多数決で可能に
所在不明の所有者の扱い決議の「反対者」として母数に含まれる裁判所の手続きで母数から除外できる

① 建て替え決議の要件が緩和された

耐震性が不足している、外壁や給排水設備が著しく老朽化しているなど、一定の条件に該当するマンションは、建て替えの賛成要件が「5分の4以上」から「4分の3以上」に引き下げられました。

100室なら80人→75人に。この5人分の差が、現実には大きな意味を持ちます。

② 建て替え以外の「再生」の選択肢が増えた

これまで、建て替え以外の方法——たとえば建物ごと売却する「一括売却」や、建物はそのままに内装・設備を全面改修する「一棟リノベーション」——を行うには、区分所有者全員の同意が必要でした。

今回の改正で、これらも5分の4以上の多数決で決議できるようになりました。全員の同意から多数決へ。「一人でも反対したら終わり」という状況から脱することができます。

③ 「所在不明の所有者」問題への対応

相続などで連絡が取れなくなった所有者が増えると、決議の分母が増えるため、いくら賛成者を集めても要件を満たせないという問題がありました。

改正後は、管理組合が裁判所に申し立てることで、所在不明の所有者を決議の分母から除外できる仕組みが新設されました。連絡がつかない人のせいで話し合いが止まる、という状況に対応できるようになります。

マンションを持っている方・相続で引き継いだ方へ

「自分には関係ない」と思っていた方も、ぜひ一度、手元のマンションの状況を確認してみてください。

  • 築年数が古く、耐震診断を受けていない
  • 管理組合の運営が停滞している
  • 相続で引き継いだが、どう扱えばよいかわからない

こうした状況のマンションは、今回の改正で動き始めるケースが出てくる可能性があります。特に、相続で区分所有権を取得したばかりの方は、管理組合からの通知が届いたとき、内容を理解するためにも専門家への相談をお勧めします。

まとめ

改正区分所有法のポイントをまとめると、次のとおりです。

項目内容
施行日令和8年(2026年)4月1日
建て替え要件条件付きで「5分の4以上」→「4分の3以上」に緩和
売却・リノベーション全員同意→「5分の4以上」の多数決で可能に
所在不明の所有者裁判所の手続きで決議の分母から除外できる

老朽化マンションの「再生」がより現実的な選択肢となりました。一方で、建て替えには所有者の費用負担や転居が伴うため、改正によって自動的に話が進むわけではありません。管理組合での話し合いを早めに始めること、専門家に状況を整理してもらうことが、具体的な第一歩です。

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行政書士 しらかば綜合事務所 代表行政書士 高田賢一 
 (行政書士登録番号 第18150062号 認定経営革新等支援機関ID 107520000214) 
長野県行政書士会諏訪支部理事・支部IT部会長(任期~R9.5まで)
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